COLUMN written by Yamazaki
第7回
 
次世代DVD
 
 
 
  第 2 回のコラム「薄型テレビ 〜プラズマ・液晶はもう古い〜」がご好評につき、今回はデジタル家電シリーズ第二段として、次世代 DVD に関するコラムをお送りします。
2002 年に、映像記録メディアの第二世代である DVD レコーダーが出荷額で第一世代の VTR を抜きました。とくに HDD (ハードディスク・ドライブ)内蔵型は、人気商品であり、 VTR には不可能であった長時間録画を可能にしています。中には、 570 時間もの長時間録画ができる機種もあります。しかし、リムーバブル(取り外し可能)メディアの方は、まだそうした大容量のニーズには応えきれていないのが現状です。
  現在、家庭で最も一般的に書き換え型として使用されている DVD-R は、片面 1 層の 4.7GB (ギガバイト)が主流で、 1 時間を超える番組を録画するためには、画質を落とさざるをえません。まして、 2 時間以上ともなると、明らかな画質の劣化が認められます。市販のソフト等に使用されている再生専用の DVD-ROM の両面 2 層にしたところで、 17GB が限界です。
  今後のデジタルハイビジョン放送の普及に対応するためには、さらに大容量のリムーバブルメディアが求められます。そのため、電気機器各社は次世代 DVD の開発に取り組み、相次いで新技術を発表しています。現在は、 ソニー、日立製作所、松下電器産業、パイオニア、シャープ、 TDK 、三菱電機等( 13 社)の“ブルーレイディスク( BD )”と日本電気( NEC )、東芝等(約 200 社)の“ HD DVD ”が争っています。
 しかし、 2004 年 2 月 26 日、 DVD フォーラムが、 HD DVD-RW を次世代 DVD の書き換え型の標準規格として認定したことで、一つの方向性が見えてきました。一方、これによって、ブルーレイディスクは、次世代 DVD という名称を使えなくなりました。 2004 年 7 月 1 日付けの産経新聞朝刊 11 面には、 BD 機の発売を発表した松下について、“松下は BD 機を「次世代 DVD 機」と呼ばれることを嫌うが、これは BD 機を「 DIGA 」ブランドの最高級機と位置づけ、 DVD 機との「両にらみ」で商品展開していこうという戦略の表れだ。”と記述しています。むしろ、この件に関しては、松下も既に BD 機を発売したソニーも“次世代 DVD ”と書きたくても書けないのが真相です。それぞれのホームページにも、“次世代 DVD ”の文字はありません。まだ BD の再生専用規格( ROM )が統一されない(将来、 BD の映画ソフトが発売されても現行の機種では再生できない可能性がある)段階で HD DVD に先駆けて新商品を投入したのは、そうした事情を反映し、起死回生の一手を打ったのかもしれません。
  これに対し、 NEC のホームページには“次世代 DVD” の文字が記されています。 HD DVD の容量は 30GB (片面 2 層)と、 BD の 50GB (片面 2 層)よりも少ないものの、現行の DVD と製造工程が似ているため、量産化が容易で価格が安くなるのが特徴です。しかし、 HD DVD のリーダーである NEC と東芝は、 AV 機器メーカーとしての勢力図から言えば、ソニー、松下の最強タッグと比べて弱小連合の観が否めません。今後、映像ソフトのマーケットで圧倒的なシェアを誇るハリウッドの映画業界を顧客にできない場合は、立場が逆転することも充分にありうる状況です。また、発売時期も 2005 年の予定であり明らかに出遅れています。
  消費者にとってはベータ、 VHS 以来続く、記録メディアの規格不統一問題であり、購入に際しては慎重に行動するのが最も良い選択だと言えます。
 
平成16年7月1日
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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代表取締役会長
山崎 秀尚

 
 
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