COLUMN written by Yamazaki
第11回
 
山崎秀尚の世界紀行 〜 ニューヨーク 〜
 
 

 
  深夜にバハマを後にした私は、マイアミ経由でニューヨークに降り立ちました。ラガーディア空港で荷物がターンテーブルに出てきた瞬間、嫌な予感がしました。スーツケースのベルトがなくなっていたのです。中身を確認したところ、隅々まで物色された形跡があり、いくつかの物が盗まれていました。以前、空港職員による窃盗事件のニュースを見たことがあり、その災いが自分の身にも降りかかったのです。クイーンズから見たマンハッタン
  現在、アメリカではテロ対策と称し、旅客の荷物に鍵をかけることを禁じています。しかし、公務員の規律を正すことなく、一般市民や外国人に迷惑をかけるとは、まともな政権のすることとは思えません。そもそも、アメリカはイラクに派兵することにより、ビン・ラディンを捕捉するための貴重な戦力を分散しています。誤った作戦指導の結果として、ビン・ラディンの消息はいまだに不明です。この利敵行為により、世界各国でアルカイダによるテロ活動が助長されています。テロに屈しないどころか、現状は完敗です。戦争も株式投資も失敗は付き物です。失敗することより、失敗を認めないことが最悪の結果を招くのです。タイムズ・スクエア
  そうしたことを考えながらマンハッタンに着いてみると、意外と街が古いという印象を受けました。東京と比較すると、 10 年から 20 年遅れているといった感じです。ビル、車、道路、鉄道、店舗、等々、見るものが何から何まで、デザイン・機能ともに日本より劣っていました。これはすなわち、アメリカ経済の成長が、ここ数年、鈍化又は停滞していることの証拠です。マンハッタンは大規模小売店法の影響により、大規模なショッピングモールの建設はできないのですが、それにしても、都市として非常に不便です。リバティー・アイランドとニューヨーク証券取引所にて
  翌日からウォール街、グラウンド・ゼロ、自由の女神、タイムズ・スクエア、マジソン・スクエア・ガーデン、エンパイア・ステート・ビル、ヤンキースタジアムなどに行ったのですが、どこも警備が厳重で、戦場のような物々しさでした。また、それぞれの場所や周辺で買物や食事をしました。各所を回るうちに、アメリカは、サービスの質に著しい差があるということに気づきました。それは官民、人種、性別、施設、店のランク等を問わず、個々人の対応に日本では考えられないほどのレベルの違いが見られたのです。
  このことから、アメリカは高度で均質なサービスを提供するという文化が、いまだに根付いていないという点では発展途上国であるということがわかります。逆に言うと、社会のシステムをより効率的にすることに関して、成長の余力を潜在的に残しているということなのです。現状でさえ、世界一の経済大国であるということは、社会の効率が向上したとき、さらに日米の経済力及び国力の格差は広がることでしょう。日本にとっての脅威は、急速な追い上げを見せる中国だけではなく、アメリカの政治や経済の未開発部分であるという認識を新たにし、帰国の途につきました。

 
平成16年11月1日
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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代表取締役会長
山崎 秀尚

 
 
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