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現在、一般に普及しているハードディスクドライブ(以下 HDD )は、水平記録方式(面内記録方式)が主流です。水平記録方式は、ディスクに磁気ヘッドで磁化させた微小の棒磁石の NS 両極を横に並べて記録する方式です。違う極が向き合ったときと同じ極が向き合ったときとの相違を利用して信号を記録するのです。ここで、磁石の性質を思い出してください。 N 極と N 極、 S 極と S 極が向き合うと反発します。水平記録方式は、こうした反発が起きる状態で記録されるため、不安定であるといえます。高密度の記録をする場合は、とくに不安定になります。
一方、垂直記録方式は、 NS 両極を縦に並べ、 N 極と S 極が常に向き合います。その上下の向きの相違を利用して信号を記録するのです。そのため、記録が高密度になるほど両極の結び付きが強まり、安定性が増します。つまり、垂直記録方式は、 HDD を小型化、大容量化するためには欠かせない新技術なのです。
今月、東芝は世界で初めて垂直記録方式 HDD を搭載した HDD プレーヤーを発売します。これには、 1.8 インチの垂直記録式 HDD が組み込まれ、 40 ギガバイトの記憶容量、すなわち 1 万曲の音楽が記録できるのです。 1 曲 4 分の音楽が 1 万曲ですから、約 28 日間休みなく聴き続けられる分量です。このような高性能を発揮する垂直記録方式 HDD は、他社も含めて今後は様々な機器に搭載されることが予想されます。
さて、私のコラムでは、第 2 回の SED も第 7 回の次世代 DVD も今回の垂直磁気記録方式 HDD も東芝の新技術の紹介しました。たしかに、これらは技術水準の高さを証明するものです。実際、私は消費者としては東芝の商品が好きでよく購入します。しかし、東芝の 2005 年 3 月期は総合電機大手三社の中で唯一、営業・経常減益となるなど、日立製作所や三菱電機と比べて業績が見劣りします。また、 AV 機器では、ソニー、松下電器産業、シャープなどと比べると商品のデザインやイメージがパッとせず、販売店での客の反応もいまいちです。つまり、どんな研究開発をしようが、それが業績に反映されなければ、投資対象としては意味がありません。いつの間にか三菱電機には株価も抜かれてしまい、差は開くばかり。これが何よりの証拠です。
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