COLUMN written by Yamazaki
第24回
 
バレなければ、何をしても良いのか
 
 


  先日、私はゴルフに行きました。そこで痛恨のミスをしました。と言っても、ショットやパットではなく、前のホールにクラブを置き忘れてきたのです。後の組の方々にお詫びしながら必死で山を駆け上がり、クラブを発見、取り戻して山を駆け下りたところで汗だくになりながらセカンドショットをしたのですが、空振りする始末で、その後も散々なラウンドとなってしまいました。
  直前の出来事をどれだけ覚えているかという短期記憶に関して、私は全く自信がありません。知識の蓄積などの長期記憶は、それなりに自信があるのですが、短期記憶については酷いものです。ゴルフの打数も途中でわからなくなることが多く、何度も数え直すことがしばしばです。しかし、どうしてもわからなくなったときは、自分が数えた打数よりも多く申告することにしています。ゴルフ規則 6-6d には、「競技者があるホールのスコアを真実のスコアよりも少なく申告した場合、その競技者は競技失格となる。逆に競技者があるホールのスコアを真実のスコアよりも多く申告した場合は、そのホールのスコアは申告どおりである。」とありますが、そんな規則がなくても過少のスコアを申告したのでは気分が悪くなるだけです。
  また、私は信号無視をすることはありません。誰もいない車も通っていない沖縄の押しボタン式信号が青に変わるまで 10 分以上待ったことすらあります。車は制限速度よりも流れに乗ったほうが良いと言われてもスピード違反をすることはありません。違反を正当化する甘い囁きに乗るのは愚かなことです。事故が起きては取り返しがつかないではありませんか。私は、事故の衝撃は衝突速度の 2 乗に比例することを肝に銘じて、流れを矯正するように心掛けています。もちろん、道交法違反で検挙されたことはなく、ゴールド免許です。その他、警察に捕まったことは一度もありません。勧善懲悪主義者の私は、無法者や不正をしても儲けたいという考え方とは対極にあります。第 9 回のコラムを読んでいただいた方には、私が体を張ってでも犯罪を防止する人間であると理解していただけることと思います。バカ正直で結構。自分がやらなければ誰がやるという気概を持てば、犯罪者に立ち向かうのは簡単なことです。
  一方、ヒューザーの小嶋社長が、「構造計算を偽造させるような人間に見えますか?」と問いかけていますが、私にはどう見ても偽造させるような人間に見えます。小嶋社長は若い頃に消火器の押売やすぐに故障する綿菓子製造機を販売していたと語っていますが、根っからの詐欺師なのでしょう。テレビ番組や国会で怒鳴り散らしたり、マンションを購入した住民に重畳的債務引受を提案したりと人格を疑わせること枚挙に暇がないようです。姉歯建築士にしても生活費に困ってやったという割にはベンツに乗っています。髪の薄い人がカツラをかぶるのは涙ぐましい努力ですが、人命にかかわる構造計算の偽造は同情できません。
  彼ら犯罪者はどうしようもない連中ですが、その肩を持つかのような武部自民党幹事長の失言、「悪者探しに終始すると、マンション業界つぶれますよ、ばたばたと。不動産業界も参ってきますよ。景気がこれでおかしくなるほどの大きな問題です。」は何でしょう。悪者探し、つまり、責任追及を止めろという趣旨の発言は、景気どころか、法秩序がおかしくなるほどの大きな問題です。さらに、 BSE 問題で「 感染源解明は、酪農家にとって、そんなに大きな問題なのか」 と言ったときには農水大臣を辞任しましたが、今回はどうでしょうか。たしかに、今回は所管の大臣というわけではありません。しかし、あんな発言が罷り通るようでは、民主党の国会議員が覚醒剤取締法や弁護士法違反で逮捕されたような政治家個人の腐敗ではなく、民主主義や政治全体が腐敗しつつあるのではないかと危惧してしまいます。選挙で大勝した自民党の前には、野党やマスコミは無力なのでしょうか。自民党の自浄作用もなくなったのでしょうか。権力者に対して何を言っても無駄になるとき、バレなければ何をしても良いどころか、権力さえあれば何をしても良いという最も恐ろしい事態が待っているのです。

 
平成17年12月1日
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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代表取締役会長
山崎 秀尚

 
 
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